インフルエンザに効く市販薬|解熱・咳止めおすすめ5選

急な38度以上の高熱、全身を襲う関節の痛み、強烈な倦怠感…。もしかしてインフルエンザかもしれないけれど、仕事や家庭の事情ですぐに病院へ行けない。そんな時、ドラッグストアの市販薬でなんとか症状を和らげたいと考えるのは自然なことです。

しかし、インフルエンザの時に自己判断で市販薬を選ぶのは非常に危険な場合があります。インフルエンザウイルスそのものを退治する市販薬は存在せず、むしろ症状を悪化させたり、重い副作用を引き起こしたりする成分が含まれている薬もあるためです。

この記事では、インフルエンザの際に絶対に避けるべき市販薬の成分、安全に使える薬の選び方、そしてつらい症状を和らげるためのおすすめ市販薬を、医師監修のもとで徹底的に解説します。病院へ行くまでの一時的な対策として、正しい知識を身につけておきましょう。

インフルエンザにウイルス自体を治す市販薬はない

まず最も重要な事実として、ドラッグストアなどで購入できる市販薬には、インフルエンザウイルスの増殖を直接抑えたり、体内から排除したりする効果を持つものはありません。

市販薬でできるのは、あくまでも今出ているつらい症状を一時的に軽くすることだけです。この違いを理解することが、安全な市販薬選びの第一歩となります。

市販薬はあくまで症状を和らげる「対症療法」

市販の風邪薬や解熱鎮痛剤の役割は「対症療法」と呼ばれます。これは、病気の根本原因にアプローチするのではなく、熱や痛み、咳、鼻水といった表面的な症状を緩和することを目的とした治療法です。

例えば、解熱剤を飲んで一時的に熱が下がったとしても、体内のインフルエンザウイルスが消えたわけではありません。薬の効果が切れれば、ウイルスが活動を続ける限り、再び熱が上がる可能性があります。市販薬は、根本的な治療ではなく、体力を消耗させるつらい症状を一時的に抑え、体がウイルスと戦うのをサポートするためのものと理解してください。

根本治療には医療機関での「抗インフルエンザ薬」が必要

インフルエンザを根本から治療し、回復を早めるためには、医師の処方が必要な「抗インフルエンザ薬」が不可欠です。これらの薬は、インフルエンザウイルスが体内で増殖するのを直接阻害する「原因療法」薬です。

抗インフルエンザ薬を服用することで、ウイルスの活動が弱まり、発熱期間が1〜2日短縮される効果や、重症化を防ぐ効果が期待できます。特に、発症から48時間以内に服用を開始することが最も効果的とされています。したがって、インフルエンザが疑われる場合は、市販薬で様子を見るよりも、できるだけ早く医療機関を受診することが最善の選択です。

インフルエンザで飲んではいけない市販薬【禁忌】

インフルエンザの際に最も注意すべきは、使用してはいけない薬(禁忌薬)の存在です。特に一部の解熱鎮痛成分は、重篤な合併症のリスクを高めることが知られており、厚生労働省からも注意喚起がなされています。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が危険な理由

市販の解熱鎮痛薬の多くに含まれている「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」は、インフルエンザの際には原則として使用を避けるべきです。

NSAIDsは優れた解熱・鎮痛効果を発揮しますが、インフルエンザウイルス感染時に使用すると、以下のような深刻なリスクが報告されています。

インフルエンザ脳症のリスクを高める可能性

インフルエンザ脳症は、インフルエンザウイルス感染に伴って急激に進行する急性脳症で、特に小児に多く見られます。痙攣、意識障害、異常行動などが現れ、後遺症が残ったり、最悪の場合は死に至ることもある非常に危険な合併症です。

過去の研究で、ジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸といった一部のNSAIDsを使用したケースで、インフルエンザ脳症による死亡率が高かったという報告があります。因果関係は完全には証明されていませんが、このリスクを避けるため、インフルエンザが疑われる場合にはNSAIDsの使用は禁忌とされています。

ライ症候群との関連性

ライ症候群は、インフルエンザや水痘(水ぼうそう)などのウイルス感染症にかかった小児が、アスピリン(アセチルサリチル酸)を服用した後に発症することがある、急性脳症と肝臓の機能障害を主症状とする病気です。

これもまた致死率が非常に高い危険な状態で、特に15歳未満の子供に対して、インフルエンザが疑われる場合にアスピリンを使用することは絶対に避けるべきです。

飲んではいけない市販薬の成分名と商品例

具体的にどの成分が危険なのか、代表的な成分名と市販薬の商品例を以下の表にまとめました。ご自宅の常備薬を確認する際の参考にしてください。ただし、商品名は一例であり、同じブランドでも製品によって成分が異なるため、必ずパッケージ裏の「成分」欄を確認する習慣をつけましょう。

危険な成分名 主な市販薬の商品例 注意点
ロキソプロフェンナトリウム水和物 ロキソニンS、ロキソプロフェン「クニヒロ」 非常に一般的な解熱鎮痛剤ですが、NSAIDsに分類されます。
イブプロフェン イブA錠、リングルアイビー、ノーシンピュア、バファリンプレミアム 多くの総合感冒薬や鎮痛剤に含まれています。要注意です。
ジクロフェナクナトリウム ボルタレンEX(主に外用薬) 市販の内服薬は少ないですが、強力なNSAIDsとして知られます。
アスピリン(アセチルサリチル酸) バファリンA、バイエルアスピリン、ケロリン 15歳未満の子供には特に危険で、ライ症候群のリスクがあります。
メフェナム酸 ポンタール(処方薬) 処方薬ですが、過去にインフルエンザ脳症との関連が指摘されました。

※総合感冒薬(パブロン、ルルなど)にも上記の成分が含まれている製品があるため、成分表示の確認が必須です。

もし飲んではいけない市販薬を飲んでしまったら

インフルエンザと知らずに、うっかりロキソニンやイブを飲んでしまった場合でも、過度にパニックになる必要はありません。必ず重篤な副作用が起こるわけではありません。

まずは、それ以上の服用を直ちに中止してください。そして、体調の変化を注意深く観察します。特に、以下のような症状が現れた場合は、夜間や休日であってもためらわずに救急病院を受診するか、救急車を呼んでください。

  • 意識がはっきりしない、意味不明な言動をする
  • けいれんを起こす
  • 何度も嘔吐を繰り返す
  • 幻覚や幻聴が見られる、おびえる

これらの症状はインフルエンザ脳症のサインである可能性があります。特に異常が見られなければ、次回からは安全な薬に切り替え、不安な場合はかかりつけの医師や薬剤師に電話で相談しましょう。

インフルエンザの症状緩和に使える市販薬の選び方

では、インフルエンザの時にはどのような市販薬を選べば良いのでしょうか。安全に症状を緩和するためのポイントは、「成分」にあります。

解熱鎮痛剤は「アセトアミノフェン」単一成分を選ぶ

インフルエンザに使える市販薬を選ぶ女性

インフルエンザ時の高熱や頭痛、関節痛に対して、現在最も安全に使用できるとされている解熱鎮痛成分は「アセトアミノフェン」です。

アセトアミノフェンは、前述のNSAIDsとは異なる作用機序で熱を下げ、痛みを和らげます。インフルエンザ脳症などの重篤な合併症との関連性が低く、小児から高齢者まで比較的安全に使用できるのが特徴です。

市販薬を選ぶ際は、パッケージの成分表示を確認し、「アセトアミノフェン」と記載されているものを選びましょう。さらに、咳や鼻水などの症状がなく、熱や痛みだけを抑えたい場合は、他の成分が入っていない「アセトアミノフェン単一成分」の製品が、余計な副作用を避けるためにも最適です。

総合感冒薬は成分をよく確認する

熱、咳、鼻水、喉の痛みなど、複数の症状が同時に出ている場合は総合感冒薬が便利です。しかし、総合感冒薬を選ぶ際は、解熱鎮痛成分として何が使われているかを必ず確認してください。

  • 選ぶべき製品: 解熱鎮痛成分として「アセトアミノフェン」が配合されているもの。
  • 避けるべき製品: 解熱鎮痛成分として「イブプロフェン」などが配合されているもの。

「パブロン」や「ルル」といった有名なブランドでも、シリーズによって配合されている解熱鎮痛成分が異なります。「いつも使っているから大丈夫」と安易に判断せず、購入の都度、成分表示を指差し確認するくらいの慎重さが必要です。

眠気などの副作用に注意が必要な成分

安全なアセトアミノフェンにも副作用が全くないわけではありませんが、眠気を引き起こすことはほとんどありません。しかし、総合感冒薬には、眠気の副作用が出やすい成分が含まれていることがよくあります。

  • 抗ヒスタミン薬: 鼻水やくしゃみを抑える成分(例: クロルフェニラミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩など)。
  • 鎮咳薬(一部): 咳を鎮める成分(例: ジヒドロコデインリン酸塩など)。

これらの成分が含まれた薬を服用した後は、自動車の運転や機械の操作、高所での作業などは絶対に避けてください。仕事などでどうしても眠気を避けたい場合は、これらの成分が含まれていない薬を選ぶか、症状別の薬を組み合わせて使用することを薬剤師に相談しましょう。

【症状別】インフルエンザに使える市販薬おすすめリスト

ここからは、インフルエンザのつらい症状別に、安全な成分「アセトアミノフェン」を基本としつつ、使用できる市販薬の具体例をご紹介します。

高熱・頭痛・関節痛におすすめの市販薬

熱や体の痛みが主な症状の場合、アセトアミノフェン単一成分の薬が第一選択となります。

カロナールA

医療用の解熱鎮痛剤「カロナール」と同じアセトアミノフェンを有効成分とする市販薬です。医師にも処方される成分ということで、安心感があります。錠剤タイプで、成人(15歳以上)が服用できます。

タイレノールA

アセトアミノフェン単一成分の代表的な市販薬です。胃への負担が少ないのが特徴で、空腹時にも服用できるとされています(ただし、なるべく食後の服用が望ましいです)。錠剤が苦手な方向けに、水で溶かして飲む細粒タイプもあります。

ラックル

速溶錠タイプのアセトアミノフェン製剤です。口の中に入れるとすぐに溶けるため、水なしで服用できます。高熱で水分を摂るのもつらい時や、外出先で急に痛み出した時などに便利です。

喉の痛みにおすすめの市販薬

インフルエンザでは、ウイルスによって喉に強い炎症が起き、唾を飲み込むのもつらいほどの痛みが出ることがあります。

ペラックT錠

抗炎症成分の「トラネキサム酸」と、粘膜の修復を助ける「カンゾウ乾燥エキス」が配合された薬です。喉の腫れや痛みの原因である炎症そのものにアプローチします。解熱鎮痛成分は含まれていないため、熱や痛みがある場合はアセトアミノフェン製剤との併用を検討できます(併用時は薬剤師に確認してください)。

トラフル錠

こちらも「トラネキサム酸」を主成分とする、喉の痛みや口内炎のための薬です。ビタミンB2、B6、Cも配合されており、喉の粘膜の健康をサポートします。

漢方処方の桔梗湯(ききょうとう)

桔梗(ききょう)と甘草(かんぞう)という2種類の生薬からなる漢方薬です。喉の炎症を鎮め、痛みを和らげる効果があります。眠くなる成分は含まれておらず、体力に関わらず服用しやすいのが特徴です。お湯に溶かしてうがいをしながら飲むと、より効果的とされています。

咳・たんにおすすめの市販薬

咳は体力を消耗させ、安眠を妨げます。症状に合わせて適切な薬を選びましょう。

メジコンせき止め錠Pro

医療用としても使われる非麻薬性の鎮咳成分「デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物」が配合されています。延髄にある咳中枢に直接作用し、つらい咳を鎮めます。

アネトンせき止めZ液

鎮咳成分の「コデインリン酸塩水和物」に加え、気管支を広げて呼吸を楽にする成分や、たんを出しやすくする成分が配合されています。シロップタイプで服用しやすいですが、眠気が出やすいので注意が必要です。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

顔が赤くなるほど激しく咳き込む、痰が切れにくく喉に張り付くような、乾いた咳(空咳)に特に効果的な漢方薬です。喉を潤す作用があり、体力が落ちている時の長引く咳にも適しています。

鼻水・鼻づまりにおすすめの市販薬

鼻の症状が強い場合は、鼻炎薬が役立ちます。

ストナリニS

抗ヒスタミン成分が鼻水やくしゃみを抑え、血管収縮成分が鼻粘膜の腫れを鎮めて鼻づまりを改善します。即効性が期待できますが、眠気や口の渇きなどの副作用が出やすい点に注意が必要です。

アレグラFX

眠くなりにくい第2世代の抗ヒスタミン薬「フェキソフェナジン塩酸塩」が主成分です。鼻水・くしゃみ・鼻づまりに効果を発揮します。日中に薬を飲みたい方におすすめです。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

体を温めながら、体内の水分バランスを整えることで、水のようにサラサラとした鼻水や、くしゃみを改善する漢方薬です。眠くなる成分は含まれていません。

インフルエンザに漢方薬は効く?麻黄湯・葛根湯の効果

「風邪には漢方」というイメージから、インフルエンザに葛根湯などを考える方もいるかもしれません。しかし、漢方薬は体質や症状の時期(タイミング)によって使い分ける必要があり、選択を間違えると効果がないばかりか、症状を悪化させることもあります。

麻黄湯はインフルエンザ初期に効果が期待できる

「麻黄湯(まおうとう)」は、日本のインフルエンザ治療ガイドラインにも掲載されている漢方薬です。

発症して間もない、悪寒がして高熱が出て、体の節々が痛い、しかし汗は全く出ていない、という「インフルエンザのひきはじめ」の典型的な状態に非常に効果的です。体を温めて発汗を促し、ウイルスを追い出す手助けをします。

ただし、胃腸が弱い方や体力が著しく低下している方、高血圧の方などには向かない場合があります。また、汗が出始めたら服用を中止する必要があります。

葛根湯はインフルエンザには推奨されない

一方で、「風邪のひきはじめ」の代名詞である「葛根湯(かっこんとう)」は、インフルエンザにはあまり適していません。

葛根湯は、悪寒や発熱に加え、首筋から背中にかけての強いこわばりがあるような風邪の初期症状に用いられます。インフルエンザ特有の急激な高熱や強い関節痛に対しては、麻黄湯の方が効果的とされています。自己判断で葛根湯を選んでも、期待する効果は得られない可能性が高いでしょう。

市販薬で改善しない場合は速やかに医療機関へ

市販薬はあくまで一時しのぎです。インフルエンザの治療において最も重要なのは、適切なタイミングで医療機関を受診し、医師の診断を受けることです。

インフルエンザを最速で治すには48時間以内の受診

インフルエンザの治療を受ける患者

前述の通り、タミフルなどの抗インフルエンザ薬が最も効果を発揮するのは、発症後48時間以内です。この時間を過ぎてしまうと、薬を飲んでもウイルスの増殖を十分に抑えることができず、効果が薄れてしまいます。

「市販薬で2〜3日様子を見て、それでも治らなかったら病院へ行こう」と考えていると、最も効果的な治療のタイミングを逃してしまうのです。インフルエンザを疑う症状が出たら、できるだけ早く、遅くとも翌日には医療機関を受診しましょう。

処方される抗インフルエンザ薬の種類

現在、主に処方されている抗インフルエンザ薬にはいくつかの種類があり、患者の年齢や症状、ライフスタイルに合わせて医師が選択します。

薬の名前(商品名) 種類 特徴
タミフル 内服薬(カプセル/ドライシロップ) 1日2回、5日間服用する最も標準的な薬。小児用のドライシロップもあります。
リレンザ 吸入薬 専用の器具を使って1日2回、5日間吸入する薬。気道に直接作用します。
イナビル 吸入薬 1回の吸入で治療が完了するのが最大の特徴。吸入がうまくできる年齢から使用可能。
ゾフルーザ 内服薬(錠剤) 1回の服用で治療が完了する新しいタイプの薬。ウイルスの排出を速やかに抑えます。

抗インフルエンザ薬と市販薬の併用は医師・薬剤師に相談

病院で抗インフルエンザ薬と解熱剤(アセトアミノフェンなど)を処方された場合、自己判断で市販の総合感冒薬などを追加で服用するのは危険です。

処方薬と市販薬に含まれる成分が重複し、過剰摂取(オーバードーズ)になってしまう恐れがあります。例えば、処方されたアセトアミノフェンと、市販の総合感冒薬に含まれるアセトアミノフェンを一緒に飲んでしまうと、肝臓に深刻なダメージを与える可能性があります。

処方薬以外の薬を使用したい場合は、必ず処方した医師または調剤薬局の薬剤師に相談してください。

インフルエンザと市販薬に関するよくある質問

最後に、インフルエンザと市販薬についてよく寄せられる質問にお答えします。

インフルエンザは市販の薬で治せますか?

いいえ、治せません。市販薬は熱や痛みなどの症状を一時的に和らげるだけで、インフルエンザウイルス自体をなくす効果はありません。インフルエンザを早く治すには、病院で処方される抗インフルエンザ薬が必要です。

インフルエンザは薬なしで何日で治りますか?

健康な成人であれば、抗インフルエンザ薬を服用しなくても、通常は1週間ほどで自然に回復に向かいます。しかし、症状が強く出る期間が長引いたり、肺炎などの合併症を引き起こすリスクがあったりするため、特に高齢者や持病のある方は速やかな受診が推奨されます。

パブロンやルルはインフルエンザの時に飲んでもいいですか?

「製品によります」というのが答えです。パブロンやルルといったブランドの中には、解熱鎮痛成分として「イブプロフェン」を含む製品と、「アセトアミノフェン」を含む製品があります。イブプロフェン配合のものは避け、アセトアミノフェン配合のものであれば使用可能ですが、他に不要な成分が含まれていないか確認が必要です。必ずパッケージの成分表示を確認してください。

子供や妊婦が使える市販薬はありますか?

子供や妊婦・授乳中の方は、市販薬の使用に特に慎重になる必要があります。原則として、自己判断での市販薬の使用は避け、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談してください。
子供の場合、アセトアミノフェンは比較的安全とされていますが、年齢や体重によって用量が厳密に定められています。妊婦の方もアセトアミノフェンは使用されることがありますが、妊娠週数などを考慮する必要があるため、産婦人科医の指示に従うことが絶対です。

市販薬を飲んでから病院で検査を受けても大丈夫ですか?

はい、問題ありません。市販の解熱剤や風邪薬を飲んだことが原因で、インフルエンザの迅速検査キットの結果が不正確になる(偽陰性など)ことは基本的にありません。
ただし、医師が診察する上で重要な情報となりますので、受診の際には「いつ、どの市販薬を飲んだか」を正確に伝えてください。お薬手帳や、飲んだ薬のパッケージを持参するとスムーズです。


【まとめ】インフルエンザの市販薬は「アセトアミノフェン」を選び、早めの受診を!

インフルエンザの時の市販薬選びについて解説しました。最後に重要なポイントをまとめます。

  • ウイルスに効く市販薬はない: 市販薬はあくまでつらい症状を和らげる対症療法です。
  • NSAIDsは絶対NG: ロキソニン(ロキソプロフェン)やイブ(イブプロフェン)などのNSAIDsは、インフルエンザ脳症などのリスクがあるため使用しないでください。
  • 安全なのは「アセトアミノフェン」: 解熱鎮痛剤を選ぶなら、アセトアミノフェン単一成分の製品が最も安全です。
  • 最善策は48時間以内の受診: 抗インフルエンザ薬の効果を最大限に得るために、インフルエンザが疑われたらできるだけ早く医療機関を受診しましょう。

急な発熱でつらい時、市販薬は心強い味方になりますが、その選択を誤ると大きなリスクを伴います。正しい知識を持って安全な薬を選び、根本的な治療のために速やかに医師の診断を仰ぐようにしてください。

※本記事は、一般的な情報提供を目的としており、個別の医療的なアドバイスに代わるものではありません。ご自身の健康状態に関する具体的な問題については、必ず医師や薬剤師にご相談ください。

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